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社内SNSで企業力アップ![第1回]

社内SNSで「経営層」と「現場」が一体に――損保ジャパンが「社員いきいきコミュニティ」を始めた理由

文◎小林秀雄(フリーランスライター) 2010.06.16

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Web2.0系技術が企業コミュニケーションシステムに浸透している。その1つで2006年に市場が立ち上がった社内SNSの市場動向と、今後の方向性を全3回でレポートする。

実は、この新中期経営計画の策定に先だって経営企画部の社員たちは帰宅後にmixiを利用したり、ビートコミュニケーションから情報を入手するなど、SNSの研究を始めていた。その研究と会社の経営計画がマッチしたのだ。経営層に現場の動きを伝える仕組みは従来から存在したが、冒頭で紹介した通り、佐藤社長は「現場のナマの声を聞くレポートラインがもう1つあってもいい」と提案した。IT担当の経験をもつ佐藤社長の理解も後押しとなって、同社の社内SNSは06年10月にスタートした。

「社員いきいきコミュニティ」という名前の社内SNSの利用者は、営業担当とサービスセンターで働く現場の社員に絞った。社員を評価する立場の管理職は利用の対象としていない。社内SNSは、「社員が思っていることを何でも言えるようにすることが大切」(経営企画部経営品質ナレッジ室業務リーダーの青木聖子氏)と考えているからだ。

参加者を決めるに当たっては、通常、全員参加(登録制)と招待制のどちらかを採用することが多いが、同社の場合はどちらでもない。支社単位で参加者を互選で代表者を選んでもらう「指名制」を採用した。

利用者は実名ではなく、ハンドルネームを名乗る。だが、プロフィール欄をクリックすれば実名がわかる仕組みとなっている。一般のSNSのように匿名で参加しやすい雰囲気を保ちつつ、個々の発言を無責任なものにしない工夫といえる。

率直な思いを表現できる仕掛け

社員いきいきコミュニティのコンテンツは、日記や50ほどあるコミュニティ、Q&A、メッセージ、アンケートなど。SNSはユーザーが書き込むことで成り立つ。書き込む内容について、損保ジャパンでは「何を書いてもいい」(青木氏)ことを基本としている。もちろん、誹謗・中傷となりすましは禁止だが。

利用者は他の社員が書き込んだ日記を読んだり、Q&Aに目をとめたりというのが日常的な使い方だ。それが社員同士がつながる風土をもたらすと同時に、実用的な効果も生み出している。「教えて!」とネーミングされているQ&Aコミュニティの使い方がその典型だ。利用者は困ったことがあるとここに書き込む。すると、その日のうちに必ず回答が書かれているという。例えば、事故の被害者がロシア人というケースでは、ロシア人とコミュニケーションする際のアドバイスがロシアに赴任している社員から寄せられたり、業務を進めるうえで参考となるドキュメントツールの所在を教えあったりという具合だ。

ボトムアップで情報が流れるようにしたいという社内SNSに対する期待も実現されている。同社の社内SNSには「完全匿名」のコミュニティがある(ただし、ファシリテーターと呼ばれる運営スタッフは身元を確認できる権限を保有している)。同社は社長のメッセージを衛星放送を用いて全国の社員に伝えているのだが、そのメッセージに対する社員の声が匿名コミュニティに寄せられるのだ。匿名だから、社員は思ったことを素直に書く。経営企画部はその声を社長に上げる。まさに、現場の声を経営に伝えるもう1つのレポートラインが社内SNSによってできあがっているわけである。

損保ジャパンの取り組みは氷山の一角に過ぎない。NTT東日本やNTTデータ、NTTコミュニケーションズ、日本興亜損害保険、三井住友海上火災保険、三井不動産、百貨店の井筒屋、化粧品販売のイプサなど、大手企業が続々と導入している。次回は、このうちNTTデータとイプサの社内SNSへの取り組みを詳しく紹介する。

 

第2回「NTTデータとイプサの成功に学ぶ「社内SNS」導入のポイント」

 
 

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