NTTドコモ辻村副社長「土管化リスク避けビジネスモデル変革」
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聞き手◎土谷宜弘(月刊テレコミュニケーション編集長)
2010.07.30
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NTTドコモ
代表取締役副社長
辻村清行氏
「スマートフォン化が進むと、通信事業者の土管化リスクが高まる可能性がある」。NTTドコモの辻村副社長はこう率直に語る。では、ドコモはどのように“土管化”を回避するのか。ドコモの新ビジネスモデル創造への取り組みを聞いた。
携帯とタブレット端末は補完関係
――スマートフォンやタブレット端末の普及でフィーチャーフォンがなくなるという見方もありますが、そうではなく複数の端末を使い分けるようになるというわけですね。
辻村 今でもフィーチャーフォンを通話用、スマートフォンをインターネット用と使い分けている方は多くいます。しかし、インターネット用には、スマートフォンよりタブレット端末の方が画面が大きく適しています。タブレット端末がもっと薄く軽くなれば、フィーチャーフォンと補完し合い、強力な組み合わせになれると思います。
iPadなどのタブレット端末が普及しても、常に持ち歩けるフィーチャーフォンは、これからも生き残るはずです。ドコモの新しいキャンペーンは「ひとりと、ひとつ。」ですが、フィーチャーフォンには常時性や本人性があり、持ち主の現在地も把握できます。それらを活かしたサービスがこれからもたくさん出てくると思います。
例えば、損害保険契約は従来は年間契約等、一定期間しかできないものが多かったのですが、4月下旬から提供している「ドコモ ワンタイム保険」はゴルフ場に行ったときなどその都度契約できます。また、街のパン屋さんが新商品を出したときに携帯電話のGPS機能を活用して、店舗から徒歩圏内にいる人だけに電子クーポンを配布するといったことも可能です。
――サービス面では、新たな収益源の獲得を目的に先進サービスの開発に注力しています。
辻村 スマートフォンやタブレット端末の出現など変化の予兆があちこちで見られます。将来的には大きな変化となることでしょう。だからこそ、これまで10年間やってきたiモードとは違うビジネスモデルを考えていく必要があると考え、フロンティアサービス部を立ち上げました。まだ種まきの段階ですが、医療関係や環境関係など試行錯誤的にいろいろ取り組んでいます。
米国のオバマ政権は、1億世帯に100Mbpsのブロードバンド接続を提供するという「国家ブロードバンド計画」を策定しました。日本でも原口一博総務大臣が、2015年までに全世帯でブロードバンドサービスを利用できるようにする「光の道」構想を提唱しています。
光で実現するか無線で実現するかは別として、100Mbpsの伝送路が各家庭に入ってくるでしょう。教育に関しては、教科書の電子化が議論されています。医療でも例えばMRI(核磁気共鳴撮像法)等のデータを複数の病院間で電子的により簡易にやり取りすることが可能になると見られます。行政のあり方も変わるはずです。
ブロードバンドの普及は20世紀型の教育や医療、行政を21世紀型に変えるインパクトを持っています。そうした新しい時代の変化を追求することも、フロンティアサービス部に期待している役割です。
産業の大きな変化にはICTが不可欠であり、ドコモとしてどのように貢献できるか真正面から議論していきたいと思います。そして新しい社会生活のあり方に早めに対応し、そのノウハウを海外に輸出することも視野に入れた全体的な取り組みが必要になると考えています。


月刊テレコミュニケーション2010年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)