通信行政

情通審が700/900MHz帯の検討再開――異例の強行軍で10月の取りまとめ目指すが、委員からは戸惑いの声も

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2010.09.03

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4月から中断していた情通審の携帯電話等周波数有効利用方策委員会での700/900MHz帯割り当てに向けた技術検討が再開された。委員会は10月中旬を目途に干渉の検討などを終える計画だが、前提となる周波数WGの割り当てプランがまだ全く固まっていないだけに、メンバーからは戸惑いの声も上がる。


2010年9月2日、情報通信審議会 情報通信技術審議会 携帯電話等周波数有効利用方策委員会の第41回会合が開催された。同委員会は今年4月まで700/900MHz帯の割り当てに向けた技術的条件の検討を行っていたが、5月にICTタスクフォースに「周波数検討ワーキンググループ」が発足、同帯域の割り当てプランが見直しされる可能性が出てきたことから、「WGの動きを見守る」(吉田靖電波部長)として活動を一時休止していた。

今回の会合は8月26日にWGが行った中間取りまとめを受け、5カ月ぶりに開かれたもの。通信事業者やベンダーなどが参加して専門的な検討を行う「700/900MHz帯移動通信システム作業班」との合同会合となったことからメンバー40名が参加する大がかりな会合となった。委員会では今後、10月末になると見られるWGでの最終案の取りまとめ作業と並行して干渉などの技術検討を進めていく。

具体的にはWGから示された700/900MHz帯割り当て案に基づいて、既存システムとの間の干渉など主に技術面の検討を行い、10月中旬を目途にWGに報告する。

委員会ではまず見直し案が絞り込まれている900MHz帯について先行して検討を行い、その後流動的な要素が多い700MHz帯を議論、10月半ばに骨子を固める方針だ。

 

「700/900MHz帯移動通信システム作業班」との合同で開かれた「携帯電話等周波数有効利用方策委員会」の第41回会合。参加者は事務局を含め約50名に上った

タイトなスケジュールに「後ろ倒しもやむなし」の声も

委員会の開催スケジュールは9月15日から、週1回のペースで作業班との合同会合を開く、異例の強行軍となる。この検討スケジュールに対しては、作業班のメンバーからは戸惑いの声も上がった。

干渉検討については、検討を効率化するために4月までに実施されている700/900MHz帯をペアとする総務省原案に基づく調査をベースに、WGから提示される700MHz帯、900MHz帯の各見直し案の検討に必要な項目を追加して行われることが提案された。

だが、WGの中間取りまとめで示された「モデル案」は、総務省原案に、WGのヒアリング・意見公募にベンダーや事業者から寄せられた複数の700MHz帯、900MHz帯の見直し案、さらに総務省原案の割り当て帯域の中で700MHz帯、900MHz帯にそれぞれペアバンドを組む「事務局案」とでもいうべきものまでが併記された、論点整理レベルのもの。総務省ではその位置付けを「案というよりも検討の出発点。変形して導入されることもある」と説明する。

メンバーからは今回、会合に提案された干渉検討パターンでは、これらはすべてフォローできていないとも指摘された。実質的な検討はWGの議論の進展を待たざるを得ない部分が少なくなく、そのペース次第ではスケジュールがずれ込む可能性もありそうだ。

特に、見直しにより現有周波数の移行、縮減を迫られることになる放送局のメンバーからは「プランが固まらないと効率的な検討は難しい」「スケジュール自体も極めてタイト、後ろ倒しも考慮せざるを得ないのでは」などの意見が強く寄せられた。

吉田電波部長はこうした意見に対し、「本当は、きちんと案を絞った上で作業をお願いするべきところ」としたうえで、「構成員の皆様に無理をお願いするつもりは毛頭ない。今までの検討結果を最大限生かして効率的な検討を行っていくのでご理解をたまわりたい」と発言、会合を締めくくった。

 

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