NTTコム、「eSIM実験」の狙い――グローバルIoTビジネスでの差別化策となるか?

NTTコミュニケーションズが7月にeSIMの実証実験をスタートさせた。グローバルIoTサービスを想定した技術検証とともに、eSIMを活用した新ビジネスの可能性の検討も進める。

携帯電話のSIM(カード、チップ)に記録されている契約情報(通信プロファイル)をネットワーク経由で書き換え、接続する携帯電話事業者の変更などを可能にする「eSIM」の展開が加速してきた。

2014年から法人ユーザーを対象にeSIMを提供してきたNTTドコモは、今年5月にeSIM対応タブレット端末「dtab Compact d-01J」を投入し、コンシューマー向けサービスにも乗り出した。KDDIやソフトバンクもeSIMの提供に向けた準備を進めている。

こうした中、大手携帯キャリアとは、異なる立ち位置からIoTサービスにおけるeSIM活用の可能性の検証に動き出したのが、近年は有力MVNOとして知られることも多くなったNTTコミュニケーションズだ。

NTTコムは今年7月、国内のMVNOでは初となるeSIMの実証実験を日本と香港でスタートさせた。

NTTコムグループは、香港にモバイル通信基盤を構築し、2年前から独自にSIMを発行できる「フルMVNO」としてB2B2X型のビジネスを展開している。今回の実験は、SIMベンダーが構築しているeSIMの管理サーバー(サブスプリクションマネージャー)を通じて、このフルMVNOサービスで用いている通信プロファイルを端末に配信する形で実施されている。香港のサービス基盤を活用し、世界40の国・地域でeSIMを用いたサービスが行える試験環境を整備した。

月刊テレコミュニケーション2017年9月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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