NTTがユニバ会合で試算結果公表「モバイルも対象にすることで事業者コストは大幅削減」

ユニバーサルサービスにモバイルも加えることで、光回線のみで提供する場合と比べてコストを大幅に削減できる――。NTTは総務省会合で、新たなユニバーサルサービスの必要コストの試算結果を公表した。コミュニケーションツールはモバイルが主体となっており、「経済性の観点からもモバイルを対象すべき」とNTTは主張する。

総務省 通信政策特別委員会 ユニバーサルサービスワーキンググループの第6回会合が2024年4月23日に開催された。

関係事業者ヒアリングとしてNTTが出席。同社が第2回会合で示した「モバイルを軸としたユニバーサルサービス」が実現した場合のコスト試算結果を説明した。

まず電話については、メタルが縮退する2035年以降の収支の試算を①NTT東西が光回線電話を全国提供した場合、②「ワイヤレス固定電話(NTT東西の提供するモバイル網を活用した電話サービス) or 光回線電話」および「ワイヤレス固定方式(homeでんわ等、MNOの提供する0ABJ番号を利用可能な電話サービス)をともに保障する場合、③「ワイヤレス固定方式 or 光回線電話」いずれかを保障する場合、④「ワイヤレス固定方式」を保障する場合の4パターンで実施した。

4パターンに分けて試算を実施

4パターンに分けて試算を実施

その結果、現在のメタル電話を光回線電話に代替する①の場合、赤字額は年間770億円、整備費は2200億円にのぼる。これに対し、②のワイヤレス固定電話または光回線電話で全国をカバーしたうえで、ワイヤレス固定方式を選べるようにすると、赤字額はNTT東西が年間270億円、MNOは同50億円の計320億円、整備費は410億円となる。

ワイヤレス固定電話または光回線電話にすると、赤字額は大幅に減少する

ワイヤレス固定電話を適用可能にすると赤字額は減少する

また、無線が使えるエリアはワイヤレス固定方式、無線が使えないエリアは光回線電話を使えるようにする③では、赤字額は年間30億円、整備費は220億円に抑えられる。

ワイヤレス固定方式を全国で使えるようにしたうえで、ビル影等の電波不感地域については、NTT東西が最終保障提供責務により光回線電話でカバーする④の場合は、赤字額が年間60億円、整備費は410億円となるという。

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