NTT西と竹中工務店、建物完成後の無線環境を推定する共同トライアルを実施

NTT西日本と竹中工務店は2024年4月24日、NTTが開発した無線電波伝搬シミュレーション技術「Cradio」と、3次元の建物モデル(BIMデータ)を活用した、建物完成後の無線環境を正確かつ効率的に推定する共同トライアルを実施し、成功したと発表した。

具体的には、事前に作成されたBIMデータをShapeファイル(Cradioへ入力可能なファイル形式)に変換し、Cradioに入力することで、無線環境のシミュレーションを実施。その結果をスマートビル分析基盤「BSAP」に取り込み、ビューワによる可視化を行った。

トライアルのフロー

トライアルのフロー

結果、シミュレーションによる受信電力推定値と実測値の誤差は5dB未満に収まり、無線基地局の設置設計に必要な精度を達成。BIMデータを用いた適切な無線電波伝搬シミュレーションが可能であることを確認できたとしている。

また、無線基地局設置位置の設計/確認時間を30%、設計に必要な設備を50%削減することに成功。従来方式の半分の無線基地局数で十分な通信環境の確保が可能なことを確認できたという。

さらに、Cradioにより、電波伝搬エリアの各地点における受信電力推定値を実際の建物設計情報上にプロットすることで、設計段階における無線環境の可視化(ヒートマップ)が可能になったとのこと。

受信電力が強いほど明るく、弱いほど暗くなるように可視化したケース

受信電力が強いほど明るく、弱いほど暗くなるように可視化したケース

同トライアルの成功により、建設プロジェクトの設計段階で、建物完成後の無線環境を高精度に検証し、顧客のニーズに合った建物内の通信環境を効率的に構築することが可能になるという。2024年度はより大きな建物での活用検証を行い、2025年度に実際の建物への導入のためのソリューション確立を目指すとしている。

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